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2025年 世代別 長期投資におすすめの投資信託

長期投資におすすめ投資信託 世代別ポートフォリオ

将来や老後資金について、漠然とした不安を感じていませんか?資産運用に興味はあるけれど、「何から始めればいいの?」「どんな商品を選べばいいの?」と悩んでいる方も多いかもしれません。この記事では、長期投資のプロが推奨する、世代別の具体的な投資信託の選び方やポートフォリオの考え方を、分かりやすく解説します。2025年の最新情報をもとに、あなたの将来に向けた資産形成の一歩を踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。具体的なファンド名や、なぜその組み合わせが良いのかを、データも交えてお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。


1. はじめに

目的・読者層の明示

本記事では、長期的な視点でお金(資産)を増やしていきたいと考えている方に向けて、具体的な投資信託の選び方や、どのようにポートフォリオを組むかという考え方について解説します。特に、「20〜40代のこれから積極的に資産を増やしていきたい層」と、「50歳以上の守りも意識しつつ資産を運用したい層」の2つの世代に分けて、それぞれに適した戦略を提案します。この記事を読むことで、あなたに合った長期投資の方法が見つかるはずです。

長期投資のメリット

長期投資には、主に2つの大きなメリットがあります。一つは「複利効果」です。複利効果は、投資で得られた利益を再び投資することで、その利益がさらに利益を生み出すというものです。これは「お金がお金を生む」とも言われ、時間を味方につけることで、資産が雪だるま式に増えていく可能性があります。例えば、年利5%で100万円を投資した場合、30年後には約432万円になるという試算もあります。

もう一つのメリットは、「時間を味方につける」という点です。短期的に見ると、市場の価格は上がったり下がったり(変動)しますが、長い目で見ると、世界の経済成長と共に多くの株価も上昇する傾向があります。また、毎月決まった金額を積み立てていく「ドルコスト平均法」を使うと、価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く買うことになるため、平均の購入価格を平らにならす(平準化する)効果が期待できます。これにより、いつ投資を始めるかというタイミングを難しく考える必要がなくなり、感情に左右されずに投資を続けやすくなります。


2. 投資をはじめる前に──生活防衛資金の準備

投資を始める前に、何よりも大切な準備があります。それは「生活防衛資金」をしっかり確保することです。これは、もしもの時に困らないための、あなたと家族を守るためのお金です。投資に使うお金とはハッキリ分けて管理することがとても重要です。

生活防衛資金とは何か

生活防衛資金とは、突然の病気やケガ、会社が倒産してしまったり、地震などの災害が起きたりして、収入がなくなってしまったり、急にお金が必要になったりした場合に、普段通りの生活を続けるために取っておくお金のことです。これは、いざという時の「心の安全網」として機能し、これがあることで、投資をしている間の不安も減らすことができると多くの専門家が指摘しています。

目安:生活費の半年分/2年分

生活防衛資金としてどのくらいの金額を用意しておけば良いかは、人によって違いますが、目安となる考え方があります。

  • 20〜40代の場合:比較的収入が安定している方や、何かあっても働き口を見つけやすい方であれば、生活費の半年分程度が目安となります。例えば、一人暮らしで1ヶ月の生活費が20万円なら、6ヶ月分で120万円くらいです。
  • 50歳以上の場合:年齢が高くなるにつれて、万が一仕事を失った場合の再就職が難しくなる可能性があります。また、退職後の生活も近づいてくるため、より手厚い備えが必要です。そのため、生活費の2年分を準備することが推奨されています。例えば、夫婦で1ヶ月の生活費が30万円なら、2年分で720万円くらいが目安になります。

この金額はあくまで一般的な目安なので、あなたの家族構成や仕事の安定性、住んでいる場所などを考えて、安心できる金額を決めましょう。

置き場所の工夫(普通預金・MMF・短期国債など)

生活防衛資金は、「必要な時にすぐに使えること(流動性)」と「お金が減らないこと(安全性)」が最も大切です。2025年の状況も踏まえて、どこに置いておくのが良いか見てみましょう。

  1. 普通預金:最も手軽で、いつでも引き出せます。お金が減る心配もありません(元本保証)。ただ、金利はほとんどつきません(2025年では多くの銀行で0.001%程度)。これは、急に必要になった時のお金、例えば1〜2ヶ月分の生活費を入れておくのに向いています。
  2. MMF(マネー・マーケット・ファンド):これは、安全性に高い短い期間の債券などで運用される投資信託です。普通預金よりは少しだけ金利が高くなることが期待できます(2025年では年0.5〜1.0%程度)。換金性も高く、数日で現金にできます。すぐに必要ではないけれど、数ヶ月後に使うかもしれないお金を置いておくのに良いでしょう。元本保証ではありませんが、リスクは低いとされています。
  3. 短期国債(特に米国短期国債):国が発行する借金のことで、安全性が高い金融商品です。特に米国短期国債は、2025年現在で年2〜3%程度の利回りが期待できます。SBI・iシェアーズ・米国短期国債ファンド(愛称:サクっと米ドル)のようなファンドは、信託報酬(運用にかかる費用)も年0.1538%(税込)と低コストです。これは、すぐに使う予定のない、1年以上先の生活防衛資金の一部、特に50代以上の方の備えとして有効です。

生活防衛資金は、これらを組み合わせて「現金層(すぐ使う分)」「準現金層(数ヶ月後に使うかも分)」「投資層(すぐには使わない分)」の3つに分けて管理する「3層式管理」が良いとされています。こうすることで、必要な時にすぐ使えるようにしつつ、少しでもお金を効率的に増やし、物価上昇(インフレ)に備えるバランスが取れます。


3. 20〜40代向け:攻めの「株式中心ポートフォリオ」

20代から40代の方は、働く期間が長く、収入も増えていく可能性が高い世代です。退職までの期間も長いので、仮に投資したお金が一時的に減ってしまっても、回復するまでの時間的な余裕があります。そのため、他の世代と比べて比較的高いリスクを取ることができ、積極的に資産を増やすことを目指す「株式中心ポートフォリオ」がおすすめです。

3.1 ポートフォリオ全体像

20〜40代の「攻めの株式中心ポートフォリオ」は、主に以下の2つの部分で考えます。

  • 投資資産(95%):これは、実際に市場で運用して増やしていくお金です。ここでは、全世界の株式(オルカン)、または米国の代表的な株価指数(S&P500やNASDAQ100)に連動することを目指すインデックスファンドやETF(上場投資信託)を中心に選びます。これらの中から1つ、または複数を選んで、投資に回せるお金の大部分(例えば80%〜100%)を占めるようにします。
    • オルカン(全世界株式):これ1本で世界中のたくさんの会社の株に分散投資できます。
    • S&P500:米国の特に大きな会社500社の株に投資できます。
    • NASDAQ100:米国の成長性の高いテクノロジー系の会社など、100社に集中して投資します。
  • 現金(5%):これは、急に良い投資チャンスが来た時にすぐにお金を出せるように、少しだけ持っておく現金です。
  • 別途:生活防衛資金:これは投資のお金とは別に、先ほど説明した生活費の半年分を必ず用意しておきます。

このように、株式の比率を高くすることで、長期的に見た時の資産が増える力を最大限に活用する戦略です。

3.2 投資信託のおすすめ

20〜40代の方の長期投資におすすめの投資信託を3つ紹介します。どれも運用にかかる費用(信託報酬)が低く、たくさんの会社に分散投資できるのが特徴です。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    • 特徴:これは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスという世界中の株価の動きを表す指標と同じ動きを目指すファンドです。これ1本で、日本を含む先進国とこれから経済が成長する新興国の、本当にたくさんの会社の株に広く分散投資できます。投資をする人たちの間では「オルカン」と呼ばれていて、運用にかかる費用が業界で最も低いレベルを目指しているファンドシリーズの一つです。
    • 信託報酬/構成比率:運用にかかる費用(信託報酬)は、年率0.05775%(税込)と非常に低いです。お金がどこに投資されているかというと、アメリカの株が約60%、日本が約5%、その他の先進国や新興国の株に広く分散されています。配当金は自動的にファンド内で再投資されるので、税金がその都度かからず、効率よくお金が増やせます。2025年5月16日現在、純資産総額(そのファンドに集まっているお金の総額)は約5.9兆円と、国内でも最大級のファンドです。
    • 購入のポイント:とにかくシンプルに、これ1本で全世界に投資したいという方に最適です。国のリスクを分散できるのが大きな強みです。新NISA(新しい少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」でも選べる商品なので、税金のメリットを受けながら積立投資ができます。
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    • 特徴:これは、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数と同じ動きを目指すファンドです。アメリカの特に大きな会社約500社に分散投資できます。過去の成績がとても良いことから、非常に人気のあるファンドの一つです。新NISAでも人気ランキングでいつも上位に入っています。
    • 信託報酬/構成比率:運用にかかる費用(信託報酬)は、年率0.09372%(税込)と低コストです。投資先は、アップルやマイクロソフト、NVIDIAなどのIT系の会社が全体の約30%を占めていて、他にもヘルスケアや金融などの大きな会社が中心です。過去10年間で見ると、年平均で10%以上の高いリターンを出しています。
    • 購入のポイント:アメリカ経済、特にアメリカの大きな会社の成長を期待する方に適しています。S&P500に入っている会社の多くは世界中でビジネスをしているので、アメリカ一国に投資するといっても、実質的には世界に分散しているとも考えられます。新NISAの「つみたて投資枠」でも選べて、投資初心者にも大変人気があります。
  • eMAXIS NASDAQ100インデックス
    • 特徴:これは、米国のNASDAQ市場に上場している、金融以外の時価総額が大きい上位100社でできているNASDAQ100指数と同じ動きを目指すファンドです。特に、アップルやアマゾン、グーグルなどの、これから大きく成長が期待されるハイテク系の会社に集中して投資するのが特徴です。他の指標に比べて株価の上がり下がりが大きい(ボラティリティが高い)反面、うまくいけば高いリターンも期待できます。2024年4月から2025年3月までの1年間では、年利25%を超える良い成績を出しています。
    • 信託報酬/構成比率:運用にかかる費用(信託報酬)は、年率0.2035%(税込)です。投資先の会社の約50%は情報技術(IT)系の会社が占めています。アップル、マイクロソフト、NVIDIA、アマゾン、グーグルといった、皆さんも名前を知っているような大手テック企業が上位を占めていて、上位10銘柄でファンド全体の約48.94%を占めるなど、特定の会社に投資が集中している傾向があります。
    • 購入のポイント:テクノロジー関連など、成長性の高い会社に積極的に投資して、高いリターンを狙いたいという、特に30代以下の若い方におすすめです。ただし、特定の会社やセクターに集中しているため、S&P500などと比べると変動は大きくなる可能性があります。

3.3 米国ETFのおすすめ

日本の投資信託だけでなく、アメリカの証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)も、運用費用が低く、広く分散投資できる魅力的な選択肢です。外貨(米ドル)で取引することになりますが、もし外貨で投資をしたいなら検討してみましょう。

  • VT(全世界株式)
    • 特徴:正式名称は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」といいます。これは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという指標に連動することを目指していて、世界中の約10,000銘柄、実に世界の株式市場の約98%以上をこれ1本でカバーできる「究極の分散投資」ができるETFです。大型株、中型株、小型株まで、幅広い会社の株が含まれています。
    • 手数料/構成比率:運用にかかる費用(経費率といいます)は、年0.06%と非常に低いです。アメリカ株が約60%を占め、その他先進国が約30%、新興国が約10%程度となっています。
    • 購入のポイント:文字通り、これ1本で全世界の株式にまとめて投資したい方にぴったりです。手数料も安く、効率的に世界中に分散投資ができます。ただし、外貨建てのため為替リスクがあります。
  • VOO(S&P500)
    • 特徴:これは、バンガード社が運用する米国のS&P500指数と同じ動きを目指すETFです。アメリカの大きな会社約500社に投資できます。こちらも手数料の低さが大きな魅力です。
    • 手数料/構成比率:運用にかかる費用(経費率)は、なんと年0.03%と、世界でも最低レベルです。投資先の会社の約30%以上が情報技術(IT)系の会社で、アップルやマイクロソフト、NVIDIAといった会社が上位を占めています。
    • 購入のポイント:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と同じS&P500に投資しますが、手数料がさらに安いのが特徴です。ただし、米ドルで取引する必要があり、為替リスクも伴います。安定した人気の米国大型株に長期で投資したい方の定番とも言えます。
  • QQQM(NASDAQ100)
    • 特徴:これは、インベスコ社が提供するNASDAQ100指数と同じ動きを目指すETFです。有名なQQQというETFの、長期投資家向けに手数料を安くしたバージョンとして2020年に登場しました。テクノロジー関連など、成長性の高い会社に集中投資するのが特徴です。
    • 手数料/構成比率:運用にかかる費用(経費率)は、年0.15%と、QQQの0.20%よりも低く設定されています。投資先の約50%以上が情報技術(IT)系の会社です。上位10銘柄で全体の約48.9%を占めるなど、特定の会社への集中度が高いのが特徴です。
    • 購入のポイント:手数料を抑えて、NASDAQ100指数に含まれるテクノロジー中心の成長企業に投資したい方に適しています。積極的な成長を狙いたい方におすすめです。こちらも米ドルで取引し、為替リスクがあります。

3.4 20〜40代でこの組み合わせが有効な理由

20〜40代の投資家にとって、ここまで紹介したような株式を中心としたポートフォリオがなぜ効果的なのか、その理由を説明します。

  • 高いリスク許容度を活かし、成長市場を取り込む 20〜40代の皆さんは、これから働く期間が長く、資産を運用する期間も長く取れます。そのため、たとえ一時的に市場が下がったとしても、回復するまで待つ時間的な余裕があります。この「時間の長さ」を最大限に活かして、株式のような、リスクは少し高いけれど、長期的に大きく成長する可能性のある資産に積極的に投資することが大切です。ソースによると、S&P500は過去20年で約7倍に、NASDAQ100は約16倍に成長しています。全世界や米国の株式は、今後の世界経済の成長、特に米国や新興国の成長を取り込む上で、中心となる投資先として適しています。
  • 自動積立によるドルコスト平均法の紹介 20〜40代の皆さんは、まだ働いていて毎月お給料などが入ってくる方が多いでしょう。この毎月の収入から、無理のない金額を決め、自動的に投資信託などを買い付けていく「自動積立」は、長期投資において非常に有効な方法です。この自動積立で活用されるのがドルコスト平均法です。これは、価格が高い時は少しだけ買い、価格が安い時にはたくさん買うことになるので、平均の購入価格を平らにする効果があります。これにより、市場の動きを予測するのが難しいという問題を避けて、感情に左右されずに、コツコツと投資を続けることができます。特に、新NISAの「つみたて投資枠」を使えば、税金のメリットを受けながらこの方法で投資を進められます。

4. 50歳以上向け:守りも意識した「8:2バランス」

50歳以上になると、定年退職が現実味を帯びてきて、これまでの人生で築いてきた資産を「守る」ことの重要性が増してきます。若い世代と比べると、投資できる期間も短くなるため、大きなリスクを取ることは難しくなります。そこで、資産を増やしつつも、減らさないように守ることも意識したポートフォリオを考える必要があります。

4.1 ポートフォリオ全体像

50歳以上の方におすすめのポートフォリオは、成長性と安定性の両方を狙った「8:2バランス」です。具体的には、投資に回せるお金を以下の割合で分けます。

  • 株式資産(80%):これは、全世界の株式(オルカンなど)に連動する投資信託やETFを中心に投資します。世界の経済成長の恩恵を受け、資産を増やす部分です。
  • 債券資産(20%):これは、短期の国債など、比較的安全性の高い債券に投資するファンドやETFを選びます。これは、もし株式市場が大きく下がった時に、ポートフォリオ全体の値動きを穏やかにする役割を果たします。
  • 別途:生活防衛資金:これは投資のお金とは別に、先ほど説明した生活費の2年分を必ず用意しておきます。

この「株式80%:債券20%」という割合はあくまで一つの例です。あなたの収入や資産状況、あと何年で退職するか、どれくらいリスクを取れるかなどを考えて、割合は調整しても大丈夫です。例えば、もうすぐ退職する方や、あまりリスクを取りたくない方は、株式を70%や60%に減らし、その分債券の割合を増やすという考え方もあります。

4.2 “なぜ8:2なのか?”

この「8:2バランス」という考え方は、有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏の「90:10」戦略を参考にしつつ、50歳以上の方に合わせて少しだけ「守り」の要素を強くしたものです。

  • バフェット流「90:10」の考え方をベースに、やや保守的にアレンジ ウォーレン・バフェット氏は、「ほとんどの一般の投資家は、 S&P500という株価指数に連動する低コストのインデックスファンドに90%、そして残りの10%を短期の米国債券ファンドに投資するのが良いだろう」と提案しました。これは、長い目で見れば株式市場は成長することを信じつつ、一部は安全な資産で持っておこうという考え方です。
    50歳以上の場合、バフェット氏の提案よりも少しだけ債券の割合を増やして8:2にすることで、資産を増やすことを目指しつつも、市場が大きく下がった時のショックを和らげる役割を高めることを意図しています。
  • 株式80%で成長取り込み、債券20%で下落耐性を確保 株式は、長い期間で見ると資産を大きく増やせる可能性が高い一方で、価格の上がり下がりが大きい資産です。ポートフォリオの80%を株式にすることで、今後も世界経済が成長していく恩恵を受け、資産を増やしていくことを目指します。一方、債券は一般的に株式とは違う値動きをするため、特に市場全体が下がっているような時でも、価格があまり下がらず安定していることが期待できます。短期の国債は特に安全性が高いとされています。債券を20%組み入れることで、もし株式市場が大きく下がっても、ポートフォリオ全体のお金が大きく減ってしまうのを防ぎ、気持ちの負担も軽くする効果が期待できます。これは、退職後に資産を取り崩して生活していく上で、資産が大きく減ってしまう「シークエンスリスク」を減らすことにも繋がります。

4.3 投資信託のおすすめ

50歳以上の方の「8:2バランス」ポートフォリオにおすすめの投資信託を紹介します。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    • 特徴:これは、先ほど20〜40代のところでも紹介した、これ1本で全世界の株式に幅広く投資できる低コストのインデックスファンドです。50代以上の方でも、資産の約80%を株式にする場合、地域を限定せず世界中に分散投資することで、特定のリスクを抑えながら、世界の経済成長を取り込むことができます。
    • 信託報酬/構成比率:運用にかかる費用(信託報酬)は、年率0.05775%(税込)と非常に低く抑えられています。お金の約60%はアメリカの株、約5%は日本の株、その他先進国や新興国に分散されています。
    • 50代以上にとってのメリット:世界中の経済成長の恩恵を受けながら、特定の国だけに偏るリスクを避けられるのが良い点です。物価上昇(インフレ)が進んだ時にも、株式は価値を保ちやすいため、インフレ対策としても有効です。
  • SBI・iシェアーズ・米国短期国債ファンド
    • 特徴:これは、「サクっと米ドル」という愛称で呼ばれるファンドです。主に、ブラックロックという会社が運用する「iシェアーズ・0‒3ヵ月・米国国債ETF」というETFを通じて、残っている期間が3ヶ月未満の、とても短い期間の米国政府の債券に投資します。これは、ICE 0‒3ヵ月・米国国債インデックスという短い期間の米国債の指標と同じ動きを目指しています。
    • 信託報酬/分配金の仕組み/再投資のポイント:運用にかかる費用(信託報酬)は、年率0.0638%(税抜0.058%)ですが、ETFなどの費用も合わせると、実質的な負担は年0.1538%(税込)程度となります。このファンドは、債券から得られる利息収入を、自動的にファンドの中で再投資してくれます。これにより、いちいち分配金を受け取ってまた投資する手間がなく、効率よくお金が増えていく(複利効果)ことを期待できます。購入する時の手数料や、途中で売る時の手数料(信託財産留保額)はありません。米ドル建ての資産に投資するため、為替の動きにも影響を受けます。これは、お金が大きく減るリスクを抑えたい場合の、投資ポートフォリオの一部として最適です。

4.4 米国ETFのおすすめ

海外のETFを直接買って運用したいという50歳以上の方向けに、おすすめのETFを2つ紹介します。

  • VT(全世界株式)
    • 特徴:これは、先ほど20〜40代のところでも紹介した、バンガード社が運用する世界中の約8,000銘柄の株式に分散投資できるETFです。これ1本で全世界の株式市場に投資できます。
    • 手数料/構成比率:運用にかかる費用(経費率)は、年0.06%と非常に低コストです。投資先の約60%がアメリカ株で、他の先進国や新興国にも分散されています。
    • 50代以上にとってのメリット:地域を限定せず世界中に分散できるため、特定のリスクを減らし、安定した資産保全と緩やかな成長を両立させたい場合に適しています。ポートフォリオをシンプルに保つことができます。
  • VGSH(短期米国国債ETF)
    • 特徴:これは、バンガード社が運用する、残っている期間が1年から3年の米国政府の債券に投資するETFです。ブルームバーグ米国1-3年国債インデックスという指標に連動することを目指しています。これは、政府の債券なので信用リスクが低く、また短い期間の債券に投資するため、金利の変動による価格の変動も比較的小さいとされています。
    • 手数料/期待リターン:運用にかかる費用(経費率)は、年0.04%と非常に低いです。2025年5月現在、平均で約4.2%の利回りが期待できるという情報もあります。配当金は通常、毎月支払われます。
    • 50代以上にとってのメリット:投資したお金が大きく減るリスクを抑えたい部分に最適です。毎月配当金が得られるので、これが定期的な収入源となり、キャッシュフローを安定させる助けになります。米ドルで持つことになるため、通貨の分散にもなります。

4.5 50歳以上でこの組み合わせが有効な理由

50歳以上の投資家の方にとって、「8:2バランス」ポートフォリオがなぜ有効なのか、その理由を説明します。

  • 取り崩し期間を見据えたリスク管理 50歳を過ぎると、やがて退職して、それまで貯めてきたお金(資産)を取り崩しながら生活していく期間が視野に入ってきます。もし、資産を取り崩し始める時に市場が大きく下がっていると、生活するためにたくさんのお金を下ろす必要が出てしまい、資産が早く減ってしまう「シークエンスリスク」という問題が起こりやすくなります。ポートフォリオに債券のような安定した資産を20%程度組み入れておくことで、もし市場が下がっても、ポートフォリオ全体の値動きが穏やかになり、慌てて株式を売らなくても済むようにする効果が期待できます。ソースによると、退職前に2~3年分の生活費を現金で確保し、さらに投資資産の20%程度を債券にすることで、このリスクを減らせるとされています。
  • 債券を利用したキャッシュフローの安定化 債券や債券ファンドは、定期的に利息収入(インカムゲイン)が得られるのが特徴です。特に米国短期国債は、2025年現在で4%前後の利回りが期待できる情報もあり、これは退職後の定期的な収入源の一つとしてとても重要になります。この安定した収入があれば、毎月の生活費の一部に充てたり、もし株式市場が下がっている時には、そのお金を使って安くなった株式を買い増したりすることもできます。市場が大きく下がった時に、お金がなくて売らざるを得なくなる状況を防ぐために、債券からの定期的な収入は大きな助けとなります。

5. まとめ&次のステップ

各世代向けポートフォリオのおさらい

ここまで見てきた世代別のポートフォリオをもう一度おさらいしましょう。

  • 20〜40代向け「株式中心ポートフォリオ」
    • 目標は「攻め」の姿勢で、長期的な資産の大きな成長を目指します。
    • 投資に回すお金の約95%を、全世界株式、S&P500、またはNASDAQ100のような、世界や米国の成長を取り込む株式中心の投資信託やETFに配分します。
    • これとは別に、もしもの時のために生活費の半年分の生活防衛資金を現金などで確保しておきましょう。
    • おすすめの投資信託は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS NASDAQ100などです。
    • おすすめの米国ETFは、VT、VOO、QQQMなどです。
  • 50歳以上向け「8:2バランス」ポートフォリオ
    • 目標は「守り」も意識しつつ、資産を安定させながら成長も目指します。
    • 投資に回すお金の80%を全世界株式中心の投資信託やETFに、残りの20%を短期国債中心のファンドやETFに配分します。
    • これとは別に、もしもの時のために生活費の2年分の生活防衛資金を現金などで確保しておきましょう。
    • おすすめの投資信託は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やSBI・iシェアーズ・米国短期国債ファンドなどです。
    • おすすめの米国ETFは、VTやVGSHなどです。

どちらの世代でも、運用にかかる費用(信託報酬や経費率)が低いインデックスファンドを中心にするのが、長期的に見てお金が増えやすいシンプルで効果的な方法です。2025年からの新しいNISA制度でも、これらの商品が人気を集めており、多くの人が税金のメリットを受けながら資産作りを始めています。

まずは少額から「はじめの一歩」を踏み出そう

長期投資の最大の味方は「時間」です。投資を始めるのが早ければ早いほど、複利効果(お金がお金を生む力)を長く活用でき、将来の資産額に大きな差が出てきます。特に20〜40代の方は、たとえ少額からでも、まずは始めてみることが本当に大切です。

具体的な始め方としては、以下のステップが考えられます。

  1. まずは、もしもの時に困らないための生活防衛資金をしっかり準備しましょう。
  2. 次に、毎月お給料などから自動で投資信託を買い付ける「自動積立」を設定してみましょう。多くの証券会社では、100円という少額から始められます。
  3. 一度積立を始めたら、市場の価格が少し上がったとか下がったとかで一喜一憂せず、長い目で見て投資を続けることが重要です。
  4. 特に50代以上の方は、年に1回など定期的にポートフォリオのバランスが崩れていないか確認し、必要に応じてリバランス(元の割合に戻す調整)を行うのが良いでしょう。これは「高く売って安く買う」という投資の基本を自動でやるような効果も期待できます。
  5. この記事で紹介した内容を参考に、さらに知識を深めたり、ご自身の状況に合わせてポートフォリオを調整したりすることも大切です。

2025年の調査でも、長期にわたってコツコツと積立投資を続けることで、市場の短期的な変動を乗り越え、複利効果を最大限に活かすことができると改めて確認されています。投資はすぐに大きなお金持ちになれる魔法ではありませんが、早く始めて続けることで、将来の経済的な自由や安心という、自分自身への大きなプレゼントになります。

もし、まだ不安があるなら、この記事の内容をもう一度読み返したり、金融庁や「知るぽると」のような信頼できるサイトで基本を学んだり、初心者向けの投資本を読んでみたりするのも良いでしょう。大和アセットマネジメントの「資産形成白書2025」のような資料も参考になります。そして、必要であればファイナンシャル・プランナーのような専門家に相談することも考えてみてください。

あなたの将来の安心のために、今日から長期投資の「はじめの一歩」を踏み出してみませんか?