※本記事はchakin商品を否定する記事ではありません。事前に計算することの重要性を学ぶための記事です。
積立保険や投資信託って何?基本を理解しよう!
将来のためにお金を貯めたり増やしたりする方法はいくつかありますが、特に若い世代の方から注目を集めているのが「積立保険」や「投資信託」といった商品です。でも、これらの商品が具体的にどのような仕組みになっているのか、よく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
積立保険と投資信託は、どちらも毎月コツコツとお金を積み立てていくという点では似ていますが、その中身は全く異なります。積立保険は「保険」と「貯蓄(運用)」がセットになった商品であり、投資信託は多くの人から集めたお金をプロが代わりに運用してくれる「投資」の商品です。
この章では、今回比較の対象とする積立保険「Chakin(チャキン)」という商品と、人気の投資信託の一つである「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を例に、それぞれの基本的な仕組みを分かりやすく解説していきます。
将来のお金のことを考える上で、まずはこれらの商品の「基本のキ」を知ることが第一歩です。どのような特徴があるのか、どんな仕組みでお金が増えたり減ったりする可能性があるのか、一緒に見ていきましょう。
積立保険「Chakin」の仕組み
Chakinは、住友生命が提供している積立保険です。積立保険は、その名前の通り「積立」と「保険」の機能が一体になった商品です。毎月保険料を支払うことで、将来に向けた資産形成を目指しつつ、もしもの時には保険金が受け取れる仕組みになっています。
Chakinの場合、保険期間は10年間ですが、毎月保険料を支払う「払込期間」は最初の5年間(60回)だけです。5年間払い込みを終えた後は、さらに5年間「据え置き期間」として積立金をそのまま置いておくと、積立金が少しずつ増えていきます。そして保険期間が終わる10年後に、それまで積み立てて増えたお金(満期保険金)を受け取ることができるという流れです。
払込期間中の5年間は、月々の保険料を減らすことはできますが、増やすことはできません。もし5年後も積立を続けたい場合は、同じ契約を続けるのではなく、別の契約を新たに結ぶなどの方法が必要になります。
Chakinの大きな特徴の一つに、「いつ解約しても累計払込額を下回らない」という点があります。これは、保険商品の中では珍しい仕組みです。また、もし保険期間中に亡くなってしまった場合は、積立金額と同額の保険金(一般死亡給付金) や、不慮の事故や特定の感染症で亡くなった場合にはそれよりも多い保険金(災害死亡給付金)が支払われる保障もついています。
つまり、Chakinは「5年間コツコツ積立ながら保障も準備し、据え置き期間を経て将来お金を受け取る」という、保険と貯蓄・運用が組み合わさったシンプルな設計の商品だと言えます。特に、投資は初めてでリスクを取りたくないけれど、少しでもお金を増やしたい、という方に向けて作られた商品のようです。
投資信託「S&P500」の仕組み
次に、投資信託の一つである「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」について説明します。S&P500というのは、アメリカの代表的な企業500社の株価をまとめた指数(基準値)のことです。アメリカ経済の動きを大まかに示すものとして、世界中の投資家から注目されています。
この投資信託は、私たちが払ったお金をまとめて、このS&P500という指数と同じような値動きをするように運用してくれます。つまり、アメリカの有力な500社にまとめて「間接的に」投資できる商品なんです。
投資信託は、銀行の預金のように元本が保証されている商品ではありません。日々のニュースで「株価が上がった」「株価が下がった」と聞くように、投資信託の価値も毎日変動します。運用がうまくいけばお金は増えますが、市場の調子が悪ければ減ってしまうこともあります。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のような、特定の指数に連動することを目指す投資信託は「インデックスファンド」と呼ばれ、一般的に手数料(信託報酬)が低いという特徴があります。これは、運用をプロに「お任せ」する部分が、特定の指数に沿うようにシンプルに設計されているためです。
また、この投資信託をNISA口座で積み立てることで、通常、投資で得られた利益にかかる税金がかからなくなるという大きなメリットがあります。税金がかからない分、効率的にお金を増やせる可能性があります。
まとめると、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、アメリカの主要企業500社に手軽に分散投資ができ、値動きは市場の状況に左右されるものの、NISA口座を活用すれば税金がかからず効率的な資産形成を目指せる商品と言えます。 Chakinが「保険+貯蓄」という側面が強いのに対し、こちらは純粋な「投資」の商品です。この違いが、お金の増え方やリスクにどう影響するかを、これから見ていきましょう。
月1万円積立で比較!条件を確認しよう
「積立保険Chakin」と「投資信託S&P500」の基本的な仕組みが分かったところで、いよいよ具体的な金額を比較してみましょう。
「月に1万円を貯蓄や投資に回そうかな」と考えている方も多いと思いますので、ここでは「毎月1万円」を積み立てるという条件で比較を行います。そして、比較する期間は、Chakinの払込期間である「5年間」と、Chakinの保険期間である「10年間」の2つの時点に設定します。
投資信託であるS&P500は、市場の状況によって運用成果が変動します。しかし、将来のシミュレーションをするためには、ある程度「このくらいのペースで増えるかな」という仮定が必要です。ここでは、比較的現実的な数字として「年率5%」で運用できたと仮定して計算を行います。この5%という数字はあくまで「仮定」であり、実際の運用成果を保証するものではない点に注意してください。
このように、比較する条件をしっかり設定することで、それぞれの商品の特徴が金額としてどのように現れるかを見ることができます。これから見る数字は、あくまでこの設定に基づいた「もし、こうなったら」というシミュレーション結果ですが、商品選びの大きなヒントになるはずです。
※Chakinの場合、所得控除が受けられますがS&P500もNISAではなくiDeCoで運用すれば所得控除が受けられるので今回の計算は考慮していません
比較する商品の設定
比較対象は以下の2つの商品です。
- 住友生命「Chakin」:これは積立保険です。5年間の保険料払込後、5年間の据え置き期間を経て合計10年で満期を迎えます。 死亡保障もついています。
- 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」:これは投資信託です。NISA口座を使って運用し、得られた利益には税金がかからないものとします。 こちらは投資商品なので、一般的に保険のような死亡保障はありません。積み立てた資産は相続という形で引き継がれることになります。
これらの異なる性質を持つ商品を、同じ「月1万円積立」という条件で比較することで、それぞれのメリット・デメリットを金額の面から見ていきます。
積立額と期間
今回の比較では、毎月決まった金額をコツコツ積み立てることを考えます。具体的には、「月1万円」を積み立てる設定です。
そして、以下の2つの時点での金額を比較します。
- 5年後:Chakinの保険料払込が完了する時点です。S&P500も同様に5年間積み立てた場合の金額を計算します。 また、この5年経過時点で「もしも死亡してしまった場合」に受け取れる金額も比較します。
- 10年後:Chakinの保険期間が満了し、満期保険金が受け取れる時点です。 S&P500は、5年間積み立てた後、さらに5年間は追加の積立はせず、運用のみを続けた場合の金額を計算します。 Chakinは5年で払込が終了するので、10年ずっと月1万円を払い込む前提ではない点に注意が必要です。S&P500もChakinに合わせて、積立は最初の5年間に限定して比較します。
このように期間を区切って比較することで、短期間と長期間でそれぞれのお金がどう変化するのかを見ることができます。
運用利回りの設定
投資信託であるS&P500の運用成果は、その時々の市場の状況によって大きく変動します。将来の正確な運用成果を予測することは誰にもできません。
しかし、何も仮定しないと計算ができませんので、今回のシミュレーションでは「年率5%」で運用できたと仮定して計算を進めます。 この年率5%という数字は、過去のS&P500の実績などを参考に、可能性のある数字として設定しています。
この年率5%を、毎月の運用に換算すると、月利は約0.41667%になります(5% ÷ 12ヶ月)。投資信託の運用成果は日々変動しますが、計算をシンプルにするために、毎月この決まった利率で増えていくものとして計算します。
Chakinについては、保険商品ですので、運用利回りという考え方ではなく、契約時に定められた返戻率や積立金額に基づいて計算を行います。この違いも、それぞれの商品の性質によるものです。
このように、S&P500については「年率5%で運用できた場合」という条件付きの計算であることを理解した上で、この後の比較結果を見ていきましょう。
5年後に「もしも」があったら?死亡給付金を比較
積立保険であるChakinには、もしもの時の保障機能がついています。一方、投資信託は基本的な保障機能はありません。ここでは、月1万円の積立を5年間続けた時点、つまりChakinの払込期間が完了した時点で、もしも契約者(被保険者)が亡くなってしまった場合、それぞれのお金はどうなるのかを比較してみましょう。
この比較は、保険と投資という商品の性質の違いが特に現れる部分です。 Chakinは保険としての役割も果たしているため、積み立てた金額とは別に「死亡給付金」という形で金額が支払われます。 S&P500の場合は、積み立てた資産そのものが遺産として引き継がれることになります。
毎月1万円を5年間(60回)積み立てた場合の合計額は、1万円 × 60回 = 60万円 です。 この払込累計額に対して、5年後の死亡時にいくら受け取れるかを見ていきます。
5年後死亡時のChakinはいくら?
Chakinを毎月1万円、5年間(60回)払い込んだ場合、払込保険料の累計は600,000円になります。住友生命の資料によると、この払込が完了した5年後の積立金額は606,128円とされています。
もし、被保険者の方が病気などが原因で亡くなり、「災害死亡給付」の対象とならない場合(一般死亡)、この場合の給付額は積立金額と同額の606,128円が支払われます。これは、払込累計額の60万円をわずかに上回っています。
一方、不慮の事故や所定の感染症などが原因で亡くなり、「災害死亡給付」の対象となる場合、給付額は積立金額の1.1倍となります。計算すると、606,128円 × 1.1 = 666,740.8円となり、端数を切り捨てて666,740円が支払われることになります。この金額は、払込累計額の60万円や一般死亡給付金よりも多い金額です。
このように、Chakinは保険商品として、積み立てた金額に加えて、死亡原因によっては積立額の100%や110%の給付金が受け取れる仕組みになっています。これは、万が一の事態に備えるという保険本来の役割によるものです。積立途中や払込終了後(据え置き期間中)の死亡時にも、同様の考え方で積立金額に応じた給付金が支払われます。
5年後死亡時のS&P500はいくら?
次に、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)にNISA口座で毎月1万円を5年間積み立てた場合の金額を考えてみましょう。年率5%で運用できたと仮定した場合、5年後の想定積立残高は約680,000円となります。厳密には680,061円ですが、約68万円として計算されています。5年間の払込合計額はChakinと同じ60万円ですから、運用がうまくいけば、払込額よりも多い金額になっていることが分かります。
投資信託は「投資」の商品であり、Chakinのような死亡保障という特別な機能は通常ついていません。したがって、もしこのS&P500を積み立てている方が5年経過時点で亡くなった場合、Chakinのような死亡給付金が支払われるわけではありません。
しかし、積み立ててきた約680,000円という資産は、無くなってしまうわけではありません。この資産は、法的に定められた相続人に引き継がれることになります。 NISA口座で運用していた場合、運用で増えた利益部分を含めた全額が非課税で引き継がれるため、税金を差し引かれることなく資産を渡すことができます。
つまり、S&P500の場合、5年後の死亡時に受け取る「お金」は、積み立ててきた投資信託の「時価」、このシミュレーションでは約680,000円ということになります。 保障という形ではないものの、形成してきた資産を家族に残すことができる、というわけです。
Chakinは保険としての保障があり、死亡時に積立額の100%または110%が「給付金」として支払われる可能性がある。S&P500は投資資産として、その時点の「時価」が相続される。この違いを理解しておくことが大切です。どちらが良いかは、もしもの時の保障をどのくらい重視するかによって考え方が変わってきます。
10年後、お金はいくらになっている?将来価値を比較
次に、積立を始めてから10年後の金額を比較してみましょう。この10年という期間は、Chakinの保険期間が終わる満期のタイミングです。S&P500についても、Chakinに合わせて最初の5年間だけ積立を行い、その後の5年間は積立をせずに運用を続けた場合の金額をシミュレーションします。
10年後のお金の額は、それぞれの商品の「お金が増える仕組み」の違いがよりはっきり現れる部分です。Chakinは保険商品としての仕組みに基づいて積立金が増えていきますが、S&P500は運用成果次第で金額が変動します。今回のS&P500のシミュレーションでは、引き続き年率5%で増え続けると仮定して計算を行います。
月1万円を積み立てた合計額は、5年時点で60万円でした。Chakinは5年で払込が終わるので、10年間の払込累計額は60万円のままです。S&P500も積立は5年で止めるので、こちらも10年間の積立累計額は60万円です。どちらも同じ「元手60万円」が、10年後にいくらになっているかを見てみましょう。
10年後のChakinはいくら?
住友生命のChakinは、月1万円を5年間(60回)払い込んだ後、さらに5年間(合計10年間)据え置いて満期を迎えると、満期保険金としてお金が受け取れます。
この場合の満期保険金は、資料によると637,046円とされています。これは、5年間の払込累計額600,000円に対して、37,046円増えていることになります。
Chakinには「返戻率」という考え方があり、払込累計額に対して受け取れる金額の割合を示します。10年後の満期時の返戻率は106.1%です。これは、「払い込んだ金額の106.1%がお金になって戻ってくる」という意味です。計算すると、600,000円 × 106.1% = 637,046円(端数切捨)となります。
Chakinは、5年間の払込期間が終わった後も、据え置くことで積立金が毎月少しずつ増え続けます。返戻率は経過年数とともに上昇し、10年後に106.1%になるように設計されています。満期前に解約することも可能ですが、その場合の返戻率は106.1%よりは低くなりますが、累計払込額を下回ることはありません。
つまり、Chakinは5年間積立、その後5年間据え置くことで、元手60万円が10年後には637,046円になる、比較的安定した増え方をする商品と言えます。
10年後のS&P500はいくら?
次に、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。こちらもChakinに合わせて、最初の5年間だけ月1万円を積み立てるとします。年率5%で運用できたと仮定した場合、5年後の想定積立残高は約680,061円でした。
ここからがChakinとの大きな違いです。S&P500のシミュレーションでは、この680,061円を、その後5年間は追加の積立をせずに、同じ年率5%(月次複利)で運用を続けた場合の金額を計算します。
5年後の680,061円を元本として、年率5%で5年間運用すると、計算式によると約872,762円になることが示されています。
この約872,762円という金額は、最初の5年間で積み立てた60万円という元手に対して、大きく増えていることが分かります。
なぜ積立を止めたのにこんなに増えるのでしょうか?それは「複利効果」が働いているからです。複利効果とは、運用で得られた利益が、次の運用期間では「元本」に組み込まれて、その元本全体に対してまた利益がつく、という形で雪だるま式にお金が増えていく仕組みです。特に投資信託のような運用商品では、この複利効果が長く続けば続くほど、お金の増えるスピードが加速していきます。
このシミュレーションは年率5%という仮定に基づいていますし、実際の運用成果は変動しますが、NISA口座を使っているため、この872,762円という金額は税金がかからずに全額受け取れる想定です。手数料(信託報酬)の影響を考慮すると実際には若干下がる可能性もありますが、Chakinの10年後の金額637,046円と比較すると、運用成果次第では投資信託の方が大きく増える可能性があることが分かります。
10年後という同じタイミングでも、Chakinは比較的ゆるやかに着実に増えるのに対し、S&P500は運用成果によっては大きく増える可能性がある。この「確実性」と「可能性」の違いが、それぞれの商品の性質を表しています。
積立商品を選ぶ前に絶対知っておきたいこと
ここまで、積立保険Chakinと投資信託S&P500を、月1万円積立という条件で、5年後の死亡時と10年後の金額で比較してきました。金額だけを見ると、運用成果次第ではS&P500の方が大きく増える可能性がある一方で、Chakinはもしもの時の保障がついていたり、比較的堅実な増え方が期待できたりする商品であることが見えてきましたね。
どちらの商品が良い・悪いということではなく、それぞれにメリットや特徴があります。大切なのは、あなた自身の目的や考え方に合った商品を選ぶことです。そして、そのためには、ただ説明を聞くだけでなく、自分で商品を理解し、シミュレーションしてみることが非常に重要になります。
特に、積立保険のように「保険」と「運用」が一体になった商品は、その仕組みが少し複雑に感じるかもしれません。また、目に見えにくいコストがかかっている場合もあります。これらの点をしっかりと理解しないまま契約してしまうと、「思っていたのと違った…」ということになりかねません。
この章では、積立商品を選ぶ前に、ぜひあなた自身にやってみてほしい「計算することの重要性」と、注意しておきたい「コスト」についてお話しします。
なぜ自分で計算してみることが大切なの?
積立保険や投資信託を選ぶ際に、なぜ自分で計算してみることが大切なのでしょうか?それは、商品をより深く、そして正確に理解するためです。
資料やパンフレットには、返戻率や想定の運用成果などが載っています。しかし、それらの数字が「月々いくら積み立てて、何年後にこうなる」という具体的な金額として、自分の頭の中でイメージできることが大切です。
例えば、Chakinの10年後の返戻率が106.1%と聞いて、「お、増えるんだな」と思うだけでは不十分です。月1万円、払込累計60万円に対して、実際に受け取れる金額が637,046円であることを計算してみると、「あ、元手60万円に対して増えるのは37,046円なんだな」と具体的な増え幅が分かります。
S&P500で年率5%運用と聞いてもピンとこないかもしれませんが、月1万円を5年積み立てて60万円が、10年後には積立停止しても87万円を超える可能性がある、と計算してみると、「運用次第ではこれだけ増える可能性があるのか」というイメージが湧きます。
このように自分で数字を追ってみることで、商品の良い点だけでなく、増え方のペースや、もしもの時の金額など、様々な側面を定量的に理解することができます。 シミュレーションはあくまで仮定の数字ですが、将来の計画を立てる上で非常に役立ちます。
また、自分で計算しようとすることで、商品の仕組みについて分からない点や疑問点が自然と出てくるはずです。それが商品をさらに深く知るきっかけになります。面倒に感じるかもしれませんが、あなたの大切なお金を将来のためにどう活かすかを決める上で、自分で計算してみることは、最も確実な理解への道なのです。
目に見えにくいコストに注意!
積立保険や投資信託には、必ず何らかのコスト(手数料など)がかかります。例えば、投資信託には信託報酬という手数料が日々かかっています。eMAXIS Slim S\&P500のようにインデックスファンドは比較的低コストなものが多いです。
積立保険の場合、支払った保険料の中から、将来受け取る積立金に回されるお金と、保険の保障を維持するための費用(コスト)に回されるお金があります。Chakinが5年という払込期間を限定している理由の一つに、こうしたコスト管理の最適化があるようです。
投資信託は運用することに特化した商品なので、かかるコストは主に運用に関する手数料(信託報酬など)です。一方、積立保険は運用だけでなく、保険の保障を提供するためのコストも含まれています。そのため、積立保険は、運用部分だけで比較すると、同じような運用成果を目指す投資信託よりも、トータルでかかるコストが大きくなる傾向があります。資料の返戻率などが、コストを差し引いた後の数字として提示されています。
つまり、積立保険は保険という安心と運用をセットで提供している分、コスト構造が少し複雑で、単純な投資商品と比較すると、お金の増え方が穏やかになることが多い、という傾向があります。
積立保険を検討する際は、受け取れる金額や返戻率を、自分で計算した払込累計額と比較し、「この増え方に対して、どんな保障がついているのか」「もし保障がなくても、この運用で満足できるか」といった点を考えてみることが大切です。
一般的に、保障は保険でシンプルに備え、運用は投資信託など低コストな商品で行う、というように「保険は保険、運用は投資信託」と分けて考えるのも一つの有効な方法です。 こうすることで、それぞれのコストを明確に把握しやすくなります。
自分で計算し、コストにも注意を払うことで、より賢く、あなたに合った積立商品を選ぶことができるはずです。
まとめ:あなたに合ったお金の増やし方を見つけよう
ここまで、住友生命の積立保険「Chakin」と投資信託「S&P500」を、月1万円積立という具体的な条件で比較してきました。 5年後、10年後のお金の額を見て、それぞれの商品の特徴が金額にどう現れるかを確認しましたね。
ChakinとS&P500の比較結果まとめ
もう一度、月1万円を積立(S&P500は最初の5年のみ積立、その後5年運用)した場合の、5年後と10年後の金額をおさらいしましょう。
- 5年後、もしも死亡したら
- Chakin(払込累計60万円):一般死亡給付金 606,128円、災害死亡給付金 666,740円
- S&P500(想定積立額):約680,000円(資産として相続)
- S&P500のほうが、約13,000円多い(死亡時の給付が入ったとしても)
- 10年後
- Chakin(払込累計60万円、満期):637,046円
- S&P500(5年積立後5年運用、想定):約872,762円
- S&P500のほうが、約230,000円多い
この結果から、Chakinは保険としての「もしも」の保障を備えつつ、払込累計額に対して堅実に(10年で+37,046円)増える商品である一方、S&P500は運用次第では払込額に対して大きく増える可能性を秘めている(10年で+272,762円)商品であることが分かります。 S&P500は市場の変動リスクがありますが、NISAを活用すれば税金がかからないメリットがあります。
どちらが良いかは、あなたが「死亡保障をどのくらい重視するか」「運用によるお金が増える可能性にどれくらい期待するか」「市場の変動リスクをどれくらい許容できるか」といった、あなたの考え方や目的によって変わってきます。保障が必要ならChakinも選択肢に入りますし、積極的に増やしたいならS&P500のような投資商品が有力な選択肢になります。
保険と運用を分けて考えるのも手
積立保険は「保険」と「運用」がセットになっていますが、これらの機能を分けて考えることも、賢くお金を管理するための有効な方法です。
例えば、生命保険で必要な保障だけを準備し、貯蓄や資産形成は投資信託などの運用商品で行う、という考え方です。 こうすることで、それぞれの目的に合った商品を選びやすく、コストも比較的抑えられる場合があります。先ほど触れたように、「保険は保険、運用は投資信託」とシンプルに捉えることで、商品選びが分かりやすくなるかもしれません。
もちろん、Chakinのように保障と積立が一体になっている商品にもメリットはあります。ですが、もし積立保険を検討しているなら、その商品が「保険として十分な保障になっているか」「運用として見たときに、コストや増え方はどうなっているか」を、分けて考えてみる視点を持つことが大切です。
最初の一歩を踏み出そう!
この記事では、ChakinとS&P500を具体的な金額で比較し、積立商品を選ぶ際に自分で計算したり、コストに注意したりすることの重要性をお伝えしました。
難しく感じた部分もあるかもしれませんが、ここで見た計算結果や考え方は、他の積立保険や投資商品を選ぶ際にも必ず役に立ちます。
あなたのお金を将来のためにどう活かすか。それは誰かに任せるのではなく、あなた自身が決めるべき大切なことです。その第一歩として、まずはあなたが気になっている商品について、この記事で解説したような計算を、ご自身で試してみてはいかがでしょうか?
資料を取り寄せて、払込金額と将来受け取れる金額を比較してみる。インターネットで「積立シミュレーション」と検索して、投資信託の場合にいくらになるか計算してみる。
これらの小さな行動が、あなたのお金に対する理解を深め、将来に向けたより良い選択をする力につながります。ぜひ、今日からあなたのお金の「計算」を始めてみてください!

