マネーリテラシー

不要!車両保険!その保険料、貯蓄に回した方が賢い理由

車の維持費って、本当に高いですよね。ガソリン代、税金、駐車場代…そして、その中でも大きな割合を占めるのが「任意保険料(自動車保険)」です。

多くの方が、車を買うと同時に当たり前のようにフルセットの保険に加入します。しかし、その中の「車両保険」について、深く考えたことはありますか?

「万が一」のために毎年数万円を払い続けるそのお守り、本当に必要でしょうか?

結論からお伝えします。
もしあなたが「十分な貯蓄(生活防衛資金)」をお持ちなら、その車両保険は不要かもしれません。

この記事では、保険会社に払っていたお金を、将来のあなたを助ける「自分の資産」に変えるための新しい選択肢をご提案します。

第1章:そもそも車両保険って何?絶対にやめてはいけない保険との違い

まず、大切なことをお伝えします。自動車保険のすべてが不要なわけではありません。絶対にやめてはいけない、命綱とも言える保険があります。

それは「対人・対物賠償保険」です。

これは、事故で相手をケガさせてしまったり、他人のモノを壊してしまったりした際の「賠償」のための保険です。賠償額は時に数千万円、数億円にものぼり、個人の貯金では到底支払えません。これは、車を運転するすべての人の社会的責任として、必ず加入してください。

一方で、今回テーマにする「車両保険」は、事故で壊れた「自分の車」の修理代をカバーするための保険です。つまり、あくまで自分の財産を守るためのものであり、他人への賠償とは全く性質が異なります。

この記事で「不要かも?」と問いかけているのは、この「自分のための保険」である車両保険についてだけだということを、しっかり区別しておきましょう。

第2章:あなたは毎年いくら払ってる?車両保険の「見えないコスト」

一度、ご自身の保険証券を見てみてください。車両保険のために、年間いくら支払っていますか?

車両保険の保険料は、基本的に「掛け捨て」です。事故がなければ、払ったお金は1円も戻ってきません。

例えば、年間5万円の車両保険料を払っているとします。

  • 10年間無事故なら、50万円
  • 20年間無事故なら、100万円

を保険会社に支払い続けることになります。この100万円があれば、新しい車を買うための立派な頭金になったかもしれません。

さらに、小さなキズの修理で保険を使うと、翌年から保険の等級が下がって保険料が上がってしまいます。その結果、「3万円の修理のために保険を使ったら、翌年からの保険料が合計で5万円も上がってしまった…」という、本末転倒なケースも少なくないのです。

第3章:「生活防衛資金」があれば事故は怖くない

では、車両保険をやめてしまったら、万が一の事故の時どうすればいいのでしょうか?
その答えが、金融リテラシーの基本である「生活防衛資金」です。

これは、病気や失業といった不測の事態に備え、当面の生活を維持するためのお金です。一般的に、会社員の方なら生活費の半年分、収入が変動しやすいフリーランスや自営業の方は1年分が目安と言われています。

この生活防衛資金がしっかり貯まっていれば、車の事故はもう怖くありません。

  • ケース1:壁で擦ってしまった(修理費5万円)
    → 貯蓄から気兼ねなく支払えます。保険を使わないので、翌年の保険料が上がる心配もありません。
  • ケース2:大きな事故で廃車に(損害額80万円)
    → ここで生活防衛資金の出番です。確かに大きな出費ですが、生活が破綻することはありません。この資金を使って、手頃な中古車を現金で買う、あるいは次の車の頭金にするなど、冷静に次の手を打つことができます。

十分な貯蓄は、保険と同じ、あるいはそれ以上の「精神的な安心」をもたらしてくれるのです。

第4章:ただし、こんな人は車両保険を検討しよう

もちろん、この「車両保険は不要」という考え方が、すべての人に当てはまるわけではありません。以下のような状況の方は、車両保険の加入を検討する価値があります。

  • 生活防衛資金がまだ十分に貯まっていない人
  • ローンが残っている新車や、修理費が非常に高額な高級車に乗っている人
  • 運転にまだ慣れておらず、事故を起こすリスクが高いと感じる人

特に、貯蓄が少ない状態で車が全損になると、生活の再建が困難になる可能性があります。ご自身の経済状況や運転スキルと正直に向き合い、柔軟に判断することが大切です。

【まとめ】あなたのお金、誰のために使いますか?

車両保険は「万が一の安心」を買うためのサービスです。しかし、その「安心」は、保険会社に頼らなくても「十分な貯蓄」で作り出すことができます。

大切なのは、なんとなく加入し続けるのではなく、ご自身のリスクと、毎年支払うコストを天秤にかけることです。そして、自分にとって最も合理的で納得のいく選択をすることです。

まずは、ご自身の保険証券を開いてみてください。そして、「この年間数万円のお金があれば、何ができるだろう?」と一度考えてみませんか。

保険会社に払っていたお金が、あなたの未来を支える力強い資産に変わるかもしれません。