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老後も安心!低コストで始める高配当株投資

なぜ高配当株投資が注目されるのか?~老後の安定収入を目指して

1-1. 高配当株って何?その魅力をわかりやすく解説

高配当株とは、株価に対して年間の配当金の割合(配当利回り)が高い企業の株式のことです。配当金は、企業が利益の一部を株主に還元するもので、定期的な現金収入、いわゆる不労所得を得る手段として注目されています。特に、将来の生活費や老後の資金を準備したいと考える方にとって、安定した収入源となる高配当株は魅力的な選択肢となります。市場が不安定な時期でも、配当収入があることで、長期投資家の資産形成や生活設計の安定に貢献するため、近年人気が高まっているのです。

1-2. 長期投資における高配当株の役割~安定と成長の両立

長期投資において高配当株は、安定した収入と資産の成長の可能性を兼ね備えています。定期的な配当収入は、日々の生活費の足しにしたり、再投資してさらに資産を増やしたりすることができます。また、近年多くの企業が株主還元を強化しており、配当金の増加や自社株買いなどによって、配当だけでなく株価の上昇(キャピタルゲイン)も期待できる環境が整っています。

2. 知っておきたい!高配当株の選び方~安定した配当を得るために

2-1. 配当利回りだけじゃない!見るべき3つのポイント

高配当株を選ぶ際には、単に配当利回りの高さだけで判断するのは危険です。以下の3つのポイントをしっかり確認しましょう。

  1. 配当の安定性と成長性: 過去数年にわたって安定して配当金が支払われているか、そして増配傾向にあるかを確認しましょう。例えば、2025年現在、米国のETFの中ではSPYDやVYMが増配を継続している点が注目されています。連続して増配している企業は、株主還元への意識が高く、安定した収益力を持つ証拠となります。
  2. 業績と財務の健全性: 利益が安定しており、借金が少ないなど財務基盤がしっかりしている企業を選びましょう。成熟した企業であれば、業績悪化のリスクが低く、安定的な配当が期待できます。自己資本比率が高く、有利子負債が少ないか、キャッシュフローが潤沢であるかなどを確認することが重要です。
  3. 配当性向: 利益に対してどれくらいの割合を配当金として支払っているかを示す指標です。高すぎる場合(例えば80%以上)は、将来的に減配するリスクがあるため注意が必要です。一般的には30%~50%程度が安定的な目安とされます。

2-2. リスクを減らす!分散投資の重要性

高配当株投資においても、分散投資は非常に重要です。一社や一業種に集中投資すると、その企業や業界の業績が悪化した際に大きな損失を被る可能性があります。複数の銘柄や異なるセクターに分散投資することで、リスクを軽減できます。特に、後述するETFは、一つの商品で多くの銘柄に分散投資できるため、初心者の方にとって非常に有効な手段となります。

3. なぜ個別株ではなく投資信託・ETFを選ぶべき?~3つの理由

高配当株への投資を考える際、個別株ではなく投資信託やETF(上場投資信託)を選ぶには、大きく分けて3つの理由があります。

3-1. 手軽に分散投資!リスクを抑える効果

個別株に投資する場合、自分で複数の銘柄を選び、それぞれに資金を配分する必要があります。これは時間も手間もかかりますし、選んだ銘柄が業績悪化や減配に見舞われるリスクも避けられません。一方、投資信託やETFは、一つの商品を購入するだけで、数十から数百、あるいはそれ以上の銘柄に分散投資することができます。例えば、米国の高配当ETFは、S&P500高配当指数やFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスといった指数に連動しており、自動的に多くの高配当株に投資する効果が得られます。これにより、個別の銘柄リスクを大幅に軽減できるのです。

3-2. 専門家にお任せ!銘柄選びの手間を削減

特に投資信託(アクティブ型)の場合、運用の専門家(ファンドマネージャー)が、日々企業の分析を行い、将来性や配当の持続可能性などを評価して銘柄を選定・入れ替えを行ってくれます。これにより、個人投資家が自分で多くの企業を分析する手間と時間を省くことができます。ETFは主に特定の指数に連動するため、銘柄選定は指数算出機関が行いますが、それでも個人で多数の銘柄を選定する手間は省けます。

3-3. 低コストで運用可能!長期投資の味方

一般的に、ETFは個別株投資やアクティブ型の投資信託に比べて、運用管理費用(信託報酬)が低い傾向があります。長期投資においては、わずかなコストの差が最終的なリターンに大きく影響するため、低コストで運用できるETFは非常に有利です。

4. なぜ米国高配当ETFがおすすめ?~その魅力と理由

日本の高配当株や関連する投資信託・ETFも存在しますが、長期投資を考えるなら、米国の高配当ETFが特におすすめです。その理由を解説します。

4-1. 世界最大の市場!豊富な優良高配当企業

米国株式市場は世界最大であり、透明性や流動性が非常に高い市場です。そのため、長期間にわたって安定的に配当を支払ってきた、あるいは増配を続けてきた優良な高配当企業が数多く存在します。日本国内で同様の魅力を持つ高配当投資信託は少なく、米国ETFは低コストかつ分散投資が容易なため、長期投資に非常に適しています。

4-2. 株主還元への意識が高い!連続増配の実績

米国企業は、日本企業と比較して株主還元(配当や自社株買い)に対する意識が歴史的に高く、連続して配当を増やし続けている企業(通称「配当貴族」)も豊富です。これは、長期投資家にとって非常に心強いポイントです。

4-3. 低コストで多様な選択肢!優良なETFが豊富

後述するSPYD、HDV、VYM、SCHDのように、明確な投資戦略を持ち、運用管理費用(信託報酬)が非常に低い、実績のある高配当株ETFが多数存在します。これらのETFは、単に配当利回りが高いだけでなく、財務健全性や配当成長といった「質」を考慮した指数に連動するものも多いです。

5. おすすめ米国高配当ETF徹底比較:SPYD・HDV・VYM・SCHD

それでは、長期投資におすすめの代表的な米国高配当ETFである、SPYD、HDV、VYM、SCHDについて、その特徴と信託報酬を詳しく見ていきましょう。

5-1. SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)

  • 概要: SPYDは、S&P500高配当指数に連動するETFで、S&P500構成銘柄の中から配当利回りの高い上位80銘柄に均等配分で投資しています。米国の大型株が中心で、配当利回りは約3.8%前後(2025年4月現在)と安定しています。
  • 信託報酬: 約0.07%と非常に低コストで運用されており、長期投資家にとって大きな魅力です。
  • 特徴: 均等配分方式により、特定の銘柄に偏らず、リスク分散効果が高いのが特徴です。また、定期的に銘柄の入れ替えが行われ、配当利回りが低下した銘柄は除外される仕組みになっています。

5-2. HDV(iShares Core U.S. High Dividend ETF)

  • 概要: HDVは、米国の高配当株に投資し、特に財務健全性の高い企業を選定しています。構成銘柄は約75社で、成熟企業中心の安定的な配当が期待できます。
  • 信託報酬: 約0.08%と、SPYDと比較してわずかに高いですが、その分、財務健全性の高い企業選定に重点を置いています。
  • 特徴: 財務健全性を重視した銘柄選定により、経済の変動局面でも比較的堅実なパフォーマンスを示す傾向があります。

5-3. VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)

  • 概要: VYMは、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスに連動するETFで、約400銘柄に幅広く分散投資しています。幅広い銘柄分散により、業種ごとの偏りを抑え、安定した配当収入が期待できます。
  • 信託報酬: 約0.06%という非常に低い信託報酬が魅力で、長期投資でのコスト削減に大きく貢献します。
  • 特徴: 銘柄数が多く、セクターバランスも取れているため、市場全体の下落リスクを分散できます。右肩上がりの増配実績も評価されています。

5-4. SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)

  • 概要: SCHDは、米国の優良な高配当企業に投資するETFで、ダウ・ジョーンズ・U.S. Dividend 100 Indexに連動しています。業績や配当の持続可能性に優れた企業を厳選している点が特徴です。
  • 信託報酬: 約0.06%程度と非常に低コストで運用され、SPYDやHDV、VYMと同等かそれ以下の水準です。
  • 特徴: 成長性と安定配当の両立を目指しており、投資初心者でも安心して長期運用できる商品です。低コストかつ、配当収益の再投資を通じて複利効果が期待できます。直近5年間のパフォーマンスも比較的良好で、下落局面でも底堅い動きを見せる傾向があります。
  • 2025年時点でSCHDは楽天証券、SBI証券の投資信託での取り扱いです。信託報酬は、0.1238%です。

5-5. 各ETFの比較まとめ

項目SPYDHDVVYMSCHD
ベンチマークS&P500高配当指数Morningstar配当フォーカス指数FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスダウ・ジョーンズU.S. Dividend 100 Index
構成銘柄数約80約75約400約100
信託報酬約0.07%約0.08%約0.06%約0.06%
※日本でETF販売無し。投資信託扱いで、0.1238%
配当利回り約3.8%2.6~2.7%2.6~2.7% (増配実績あり)約3.65%
リスク分散
特徴高配当、均等配分財務健全性重視幅広い分散、大型株中心配当の質と成長重視

6. 注意点!NISA口座で高配当ETFを運用するということ

NISA(少額投資非課税制度)口座でこれらの米国高配当ETFに投資する場合、配当金は非課税で受け取れるという大きなメリットがあります。しかし、注意すべき点として、受け取った配当金を再投資する場合、その購入金額がNISAの年間投資枠を消費してしまうという点が挙げられます。例えば、年間の非課税投資枠が限られている中で、配当金を現金で受け取り、後から同じETFや他の商品を購入すると、その購入金額が非課税枠を使ってしまうため、注意が必要です。長期的な複利効果を狙う場合は、この点を考慮した運用計画を立てる必要があります。また、米国ETFは米ドル建てで取引されるため、為替レートの変動リスクや、購入時の為替手数料売買手数料が発生することも覚えておきましょう。

7. まとめ~高配当ETFで賢く長期投資を始めよう!

この記事では、長期投資における高配当株、特に投資信託・ETFを活用する魅力と、おすすめの米国高配当ETFであるSPYD、HDV、VYM、SCHDについて解説しました。

高配当株投資は、安定した現金収入将来の資産形成を両立できる魅力的な投資方法です。個別株に比べて分散投資が容易で、運用管理の手間も少ない投資信託やETFは、特に初心者の方におすすめです。

今回ご紹介した米国の高配当ETF、SPYD、HDV、VYM、SCHDは、それぞれ異なる特徴を持っています。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、最適なETFを選ぶことが重要です。

信託報酬は、SPYDが約0.07%、HDVが約0.08%、VYMとSCHDが約0.06%と、いずれも低コストで運用できます。

NISA口座を利用すれば、配当金や売却益が非課税になるメリットがありますが、配当金の再投資にはNISA枠の消費という注意点もあります。

まずは少額からでも積立投資を始め、長期的な視点で高配当ETFを活用し、安定した資産形成を目指してみてはいかがでしょうか?