「なんだか最近、格差が広がっている気がするけど、実際はどうなんだろう?」「お金持ちはますますお金持ちになっているの?」「格差って、私たちの幸福に関係あるの?」「老後のためにも、やっぱりお金はたくさんあった方がいいのかな…」このように感じているあなたへ。この記事では、日本の貧富の格差について、基本的な指標から、世界との比較、そして私たちの幸福感との関係まで、高校生にもわかるように徹底的に解説します。格差の現状を定量的に理解し、将来に向けた賢い選択をするための一歩を踏み出しましょう。
日本の貧富の格差、現状をデータで見る
貧富の差を示す「ジニ係数」とは?
日本の貧富の格差を知る上で、まず理解しておきたいのが「ジニ係数」という指標です。ジニ係数は、ある社会における所得や資産の分配がどの程度平等に行われているかを示す数値で、0から1までの値を取ります。0に近いほど所得や資産が平等に分配されている状態を、1に近いほど一部の人に偏って分配されている状態を表します。
格差を測る際には、「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」の2つが重要になります。当初所得とは、税金や社会保険料を支払う前、年金などの社会保障給付を受ける前の、いわゆる市場で得た所得(給与や事業所得など)のことです。一方、再分配所得とは、この当初所得から税金や社会保険料を支払い、年金や医療、手当などの社会保障給付を受け取った後の、実際に使える所得のことです。政府の税制や社会保障制度が、格差の是正にどの程度役立っているかを見るためには、この2つのジニ係数を比較することが大切になります.
日本のジニ係数は今どれくらい?
最新のデータを見てみましょう。厚生労働省の「所得再分配調査」によると、2021年(2020年所得)における日本の当初所得ジニ係数は0.5700、再分配所得ジニ係数は0.3813と報告されています。当初所得のジニ係数が0.5700であることは、市場で得られる所得には大きな格差が存在することを示しています。しかし、税金や社会保障による再分配によって、再分配所得のジニ係数は0.3813まで低下しており、一定の格差是正効果があることがわかります。
過去からの変化を見ると、日本の当初所得ジニ係数は1980年代頃から上昇傾向にあります。これは、非正規雇用の増加や高齢化など、様々な要因が影響していると考えられています。一方、再分配所得ジニ係数も長期的には上昇傾向が見られましたが、近年では横ばい、あるいはわずかな改善も見られます。しかし、1980年代と比較すると依然として高い水準にあります。例えば、内閣府の資料によると、1960年にはジニ係数が0.176と低い水準でしたが、その後上昇しています。
格差が生まれる原因とは?
日本の所得格差が拡大する背景には、いくつかの要因が複合的に絡み合っています。
まず、高齢化の進展が挙げられます。高齢者は現役世代に比べて所得が低くなる傾向があり(年金収入が中心となるなど)、高齢者世帯の割合が増加することで、全体の所得格差が拡大しやすくなります。
次に、非正規雇用の増加も大きな要因です。1990年代のバブル崩壊以降、企業はコスト削減のために非正規雇用を増やす傾向が強まりました。非正規雇用の賃金は正規雇用に比べて低く、これが現役世代間の所得格差を広げる要因となっています。2021年には、雇用者全体の約40%が非正規雇用となっています。
さらに、世帯構造の変化も影響しています。単身世帯や母子世帯など、相対的に所得が低くなりやすい世帯が増加しており、これも格差を大きくする要因の一つと考えられます。
世界の格差と比較!日本の立ち位置は?
主要国のジニ係数を比較
世界の国々と比較してみると、所得格差の状況は大きく異なります。ジニ係数が非常に高い国としては、南アフリカ(2022年:約0.62)、コスタリカ(2022年:約0.47)、ブラジル(2022年:約0.45)などが挙げられます。これらの国々では、所得が一部の富裕層に大きく偏っていることがわかります。
一方、ジニ係数が低い国、つまり格差が小さい国としては、ノルウェー(2022年:約0.26)、デンマーク(2022年:約0.27)、フィンランド(2021年:約0.27)などの北欧諸国が代表的です。これらの国々では、手厚い社会保障制度や再分配政策によって、所得格差が抑えられています。
OECD(経済協力開発機構)の加盟国と比較すると、日本の再分配所得ジニ係数(0.3813)は平均よりもやや高い水準にあります。例えば、ドイツの2021年のジニ係数は約0.28、フランスは約0.29、アメリカ合衆国は約0.41です。
日本は格差が大きい?小さい?
2022年のデータで国際的なランキングを見ると、日本のジニ係数(約0.34)は13位に位置しています。これは、世界的に見ると中程度の格差があると言えます。先進国の中では、アメリカやイギリスなどよりも低いですが、ドイツやフランスなどのヨーロッパの国々よりも高い水準です。社会保障が充実している国と比較すると、日本はもう少し格差が大きいと言えるでしょう。
ジニ係数と幸福度の関係を探る
幸せな国は格差が小さい?
一般的に、幸福度が高い国は格差が小さい傾向があると言われています。国連が発表する「世界幸福度報告」の上位には、フィンランド、デンマーク、アイスランドなどの北欧諸国が常にランクインしていますが、これらの国々はジニ係数も低いことで知られています。充実した社会保障制度が、経済的な安定をもたらし、国民の幸福度を高めていると考えられます。
しかし、ジニ係数と幸福度の関係は単純な直線的なものではないという研究もあります。所得格差がある程度までは、競争意識を生み、社会全体の活力を高めることで幸福度を上げる可能性も指摘されていますが、格差が過度に拡大すると、不公平感や将来への不安が増大し、幸福度を低下させる可能性があります。
日本の幸福度はなぜ低い?(ジニ係数だけでは語れない要因)
2024年の世界幸福度ランキングで、日本は51位と、先進国の中では低い順位にあります。日本のジニ係数は中程度であるにもかかわらず、幸福度ランキングが低いのは、所得格差だけでは説明できない要因があると考えられます。
考えられる要因としては、社会的なつながりの希薄さ、将来への経済的な不安(年金や医療など)、長時間労働や仕事のプレッシャーなどが挙げられます。また、地域間の幸福度の比較調査では、所得水準よりも、地域のアメニティ(住みやすさ)やソーシャルキャピタル(地域社会の信頼関係や結びつき)などが幸福度に大きく影響しているという報告もあります。
格差があっても、豊かな老後のために
老後資金の重要性
ジニ係数や幸福度の国際比較を知ることは大切ですが、私たちの将来、特に老後の生活を考える上では、経済的な備えが非常に重要になります。公的年金だけでは十分な生活を送ることが難しい場合も考えられます。だからこそ、自分自身で老後資金を準備する必要があるのです。
資産5000万円を目指すには
豊かな老後を送るための目標額として、ここでは仮に5000万円を設定してみましょう。この目標を達成するためには、若い頃から長期的な視点を持って資産形成に取り組むことが不可欠です。
資産形成の有力な手段の一つが投資です。特に、毎月コツコツと積み立てていく積立投資は、少額からでも始めることができ、複利の効果を最大限に活かすことができます。複利とは、運用によって得た利益を再投資することで、雪だるま式に資産が増えていく仕組みのことです。
また、NISA(少額投資非課税制度)などの税制優遇制度を積極的に活用することも重要です。NISAを利用すれば、一定の投資額まで、運用益や配当金が非課税になります。
そして何よりも大切なのは、金融リテラシーを高めることです。お金に関する知識を身につけることで、情報に惑わされることなく、自分自身にとって最適な判断ができるようになります。
結論
格差の現状をデータで理解することは、社会の課題を知る第一歩です。世界と比較することで、日本の立ち位置も見えてきます。幸福度は、所得格差だけでなく、様々な要因によって左右されることもわかりました。しかし、どんな社会状況であっても、私たちが安心して豊かな老後を迎えるためには、今日から意識して資産形成に取り組むことが重要です。長期的な視点を持ち、複利の効果を信じて、金融リテラシーを高めながら、一歩ずつ老後資金5000万円の目標に向けて歩み始めましょう。

